目次
Go pro「 HERO5 black」 vs「HERO5 Session」スペック
ボディーが違う→バッテリーが違う
HERO5 Black のバッテリー容量は、1220 mAhの充電式リチウムイオン電池です。そして取り外し交換可能。
対してHERO5 Sessionのバッテリー容量は、1000 mAh。ただし内蔵型で取り外し、交換不可能。
そうなのです。HERO5 Sessionのバッテリーは取り外しができないのです。
かなり過酷な使われ方が想定されるアクションカメラという分野においては、この差は大きいかもしれません。
バッテリーの持ち時間は公式から発表されている数値で言えば(動画撮影4K30fpsの条件下で)、
HERO5 Black 1時間30分
HERO5 Session 1時間20分
と、そこまで大きな差はないようです。
ところが、バッテリーが一度切れてしまったとき両者の差は明白になってしまいます。
バッテリー交換のできるHERO5 Blackであれば、予備の電池と入れ換えることで撮影を続行することが可能です。
ところが交換のできないHERO5 Sessionだと充電(この場合だと給電)しながらの撮影になってしまいます。
付属のマウントを使っていても端子カバーの開閉ができるので、撮影しながらの給電は可能なのですが、カバーが開いているため防塵防水は機能しなくなります。
突然ですが、スマホのアプリやGo-Proリモートでカメラをオフにした場合、その後もすぐに再接続できるようにワイヤレスはオンの状態のままになり、不必要な電力を無駄に消費してしまうことになります。
使用しないときはワイヤレス機能をオフにするとか、節電のための操作をこまめに行うなど、バッテリーの交換のできないHERO5 Sessionでは、ベストのタイミングを逃さないためによりシビアなバッテリー管理が要求されることになります。
サイズと重さが違う
HERO5 blackのサイズは、
幅:62.0mm (2.44インチ)
高さ:44.6mm (1.76インチ)
奥行き:32.7mm (1.29インチ)
HERO5 Session
幅:38.1mm(1.5インチ)
高さ:38.1mm(1.5インチ)
奥行き:36.32mm(1.43インチ)
となります。
比較すると幅がblackはSessionのだいたい二倍になります。これはblackには背面にカラー液晶のタッチパネルがついている事に由来します。これを使って撮影している映像・画像をリアルタイムで確認することができるし、撮影モードの変更も直感的に行うことが可能です。
重さは、
black
重量:118.0g (4.16オンス)
Session
重量:72.0g(2.54オンス)
となり、約50gの差となります。小さな違いですが、GO-PROを使用する環境、例えば登山等少しでも身軽にと装備にこだわる場合は大きな差となるかもしれません。
価格が違う
HERO5 blackの本体は¥37,000となります。
本体以外に、撮影データを保存するには別途microSDカードが必要となります。撮影したい設定にもよりますが、動画だと1時間の撮影で40GB程度にまでなる事もあるため、64GB以上のカードをオススメします。
それ以外にもバッテリーの交換が可能なHERO5 blackには予備のバッテリー(¥2,101)があった方が良いでしょう。撮影モードにより大きく増減しますが、フル充電の状態で1時間30分位を目安とするとよいと思います。充電器とバッテリーのセットになったものは¥6,580からとなります。
タッチパネルやレンズを保護するシートも欲しいですね。¥1,050辺りから購入が可能です。本体のみであっても10mまでの防水機能はあるのですが、より過酷な条件で使用するとなればそれ用のカバーも必要となります。マウントについても同様です。
HERO5 blackやHERO5 Sessionに限らずGo-Proのレンズは、超広角に設定されているため手に持って撮影をすると、せっかくの映像に手が映り込んでしまいます。
そのため、マウントを使用して様々な場所、ヘルメットやハンドル等に固定して撮影する必要があります。用途によって各種揃えることが必要になっていくでしょう。でもアクセサリー類に関してはサードパーティーからも安くプロデュースされていますので、そちらで揃えることも可能です。
しかし、バッテリーに関してだけは純正、推奨品をオススメします。
何故なら、純正、推奨以外のバッテリーを使うことによって、スマホとの連携ができないであるとか、連携はできてもアップデートができないであるとか、そういった不具合が報告されているからです。
以上からHERO5 blackで快適な撮影をしようとすると、本体¥37,000+¥13,000程度のアクセサリーを見込んで¥50,000位必要になるかなと計算します。
次にHERO5 Sessionですが、こちらは本体が¥26,000となります。
HERO5 SessionはHERO5 blackと違い、バッテリーが内蔵型となっているため交換ができません。こちらも動画撮影の場合、様々な要因で増減はしますがバッテリーはおおむね1時間程を目安に見積もるのが良いかと思います。
バッテリー充電の際は、GoPro AC充電器をオススメします。それ以外の充電器を使用する場合は、GoPro本体のバッテリーが破損したり、火災や液漏れが生じたりする恐れがあります。と公式が警告しています(まぁ、自己責任でやるならやってね。責任はとらないけど。ってことなのでしょうが)。それでもサードパーティー品を使うのであれば出力5V1A。充電器の電圧と電流が不明の場合は、付属のUSBケーブルを使用してコンピューターに接続し、本体の充電を行ってください。
また、タッチパネルも無いためそれを保護するシートも必要なくなります。そのためHERO5 blackよりもかかる費用は少なくなります。
本体¥26,000+マウント関係microSDその他で¥8,500程度見込み、¥34,500程度は必要になるかと思われます。
本体の差だけであれば¥11,000位であったものが、周辺機器も含めると更に広がります。
ガジェットの金額比較となれば、本体だけでなくそれ以外のアクセサリーも色々必要となる(欲しくなる)ので、トータルで評価する必要が出てきます。
Go pro「 HERO5 black」 vs「HERO5 Session」機能
「写真」撮影機能の性能:Go pro HERO 5 blackのほうが若干リード?
HERO5 Black の静止画撮影スペックは以下の通りです。
解像度: 12 MP
スクリーン解像度: 4000 × 3000
視野角 (FOV): 広角、魚眼無効、中角、狭角
それに対してSessionだと以下のようになります。
解像度: 10 MP
スクリーン解像度: 3648 × 2736
視野角 (FOV): 広角、魚眼無効(静止画撮影時。コマ撮りモードだとblackと同じく中角、狭角の4モードとなります。)
それぞれについて簡単に説明をしていきます。
解像度とスクリーン解像度
解像度の12MPとは、1,200万個の点(ピクセル)で写真が出来上がっているということになります。スクリーン解像度が4,000×3,000なので、縦4,000個の点が横に3,000列並んで、画像を構成しています。フィルムカメラの縦横比4:3(アスペクト比4:3)と同じということになります。
これがHERO5 Sessionだと10MPということなので、12MPのHERO5 Blackの方がより細かい、緻密な画像を撮影することができるということになるのですが、その差を実感するには、撮影した画像の極一部を拡大しまくった時にようやく分かるかな?程度のものです。それに画像を確認するには出力するモニターやプリンターの能力に依存するところが大きいため、ここまでのレベルになってくると素人目には大きな違いは判らないのが実情です。
視野角
視野角は、レンズと映像を感知するイメージセンサーまでの距離で決まります。レンズとセンサーまでの距離が短いと広い範囲が撮影できて、距離が長いと狭い範囲を撮影することになるのですが、その代わりにズームした撮影をすることが可能になります。
HERO5 blackの場合、静止画撮影時には焦点距離をそれぞれワイド14mm、ミディアム21mm、ナロー28mmの3種類から選択できるのに対し、Sessionだと16.8mmの一択となります。
写真撮影には更にナイトモードがあります。このナイトモードでできることはシャッターの解放時間の変更なのですが、HERO5 Sessionだと、2秒間と5秒間の二択となるところ、HERO 5 blackであれば2秒間、5秒間、10秒間、20秒間、30秒間の5種類の中から選ぶことができるようになっています。
尚どちらの機種を使用する場合でも手振れが発生するため、しっかりと固定して撮影する必要があります。
画質に関しては、HERO 5 blackの方が若干リードしているという程度の違いしかなく、更にその違いもかなり特殊な場合を除いて解らない程度でしかないのですが、そこに付随する機能を比較してみたらHERO5 Sessionではカバーされていない部分も多いことがわかりました。
機能面の充実という点からすればHERO 5 blackの圧勝と言うことができます。
「動画」撮影機能の性能:Go pro HERO 5 blackのほうが若干リード?
最高画質を比較してみます。
HERO 5 blackは4K30fps
HERO5 Sessionは4K30fps
どちらも同じく、話題の4K対応で30frame per sec(1秒間に30枚の画像を撮影)で、非常に高性能な能力を持っています。
ただしこれは視野角がワイドに限った話で、HERO 5 blackであればさらに視野角を「SuperView」という設定にしても、4K動画を撮影することができるのです。ただしその場合は、fpsは24まで落ちます。
ところで「SuperView」とはなんでしょうか。
「SuperView」とは、GoPro特有の視野角のことで、
映像の縦横の比率(アスペクト比)16:9の中に4:3の情報を詰め込んでしまおうというものです。
GoProのイメージセンサー(レンズを通して光を感知して、映像として認識するセンサー)はそもそも4:3のアスペクト比に対応しています。
16:9の映像(現在スマホやパソコンのモニター、テレビや映画の比率として一般的になってきている)をGo-Proで撮影しようとした場合、4:3の比率で作成した映像をGo-Proの中で上下をカット編集して、16:9に調整しているのです。
これだと、せっかく撮影した情報の一部を捨ててしまうことになるため、この切り捨ててしまう上下の部分を16:9の枠の中に圧縮して取り込んでしまおうというのが「SuperView」という機能です。
そんなに凄い機能ならそれ一択で良いのでは?と思われるかもしれませんが、「SuperView」も良いことばかりではなく、上下の情報を押し潰すように圧縮して取り込むため、画像が若干歪みます。
風景やドライブ動画等であれば違和感は感じないレベルですが、人の顔等が映っているとあれ?と感じる程度には歪みます。ともあれHERO 5 blackであれば、Sessionより広い視野で多くの情報を4K動画で撮影することができるのです。
また、「4Kなんて容量が大きくなりすぎるから、microSDカードの容量も圧迫するし、ネットへのアップロードもダウンロードも時間がかかるし、編集するのにもパソコンのスペックが必要になるし映像の解像度的にもFullHD(1080p)で十分」という場合であれば、両者の間にやはり差が現れます。
HERO 5 blackの場合ハイビジョン撮影であれば、120fpsでの撮影が可能ですが、HERO5 Sessionになると、90fpsとなります。この差は、スロー再生するときに現れてきます。
やはり秒間120frameと90frameでは動きの滑らかさに見てわかる程度の違いが現れます。
とは言え、あくまで特殊な条件下で現れる違いであって、普通に再生するには全く気にならないのですが。
例えば映画は24fpsで製作されていますが、観ていて演出以外で動きがカクつくとか、動きに違和感を感じたりしたことがありますか?ないはずです。それよりも多いframe数であればなおさら、なんの違和感を感じることなく動画を視聴することは可能ということです。
結論としては、撮影した動画を見比べても区別のつかないHERO 5 blackとHERO5 Sessionですが、撮影できる動画のバリエーションの差分だけ、HERO 5 blackがリードしていると言えます。
Go pro「 HERO5 black」 の特徴
操作が楽勝!(タッチ液晶)
HERO5 blackには背面にタッチ液晶が装備されています。
そもそも「小さく軽く」邪魔にならないことを求められるアクションカメラという分野において、大型のカラー液晶というものは搭載することによって「大きく重く」なってしまう要因にしかなりません。
でもこの液晶パネルがあることで、撮影する動画をリアルタイムで確認したり、撮影モードの切り替えを直感的に行うことができるようになっています。
そのため、Go-Proを初めて使うという人向けの機種と言えるかもしれません。
4K映像がキレイに撮れる
少し前には高性能なカメラでないと撮影できなかった4K動画ですが、最近ではスマホやビデオカメラでも当たり前になりつつある解像度です。
そもそも4Kとはなんでしょうか?
テレビのCM等で「4Kでより鮮やかに」なんて表現していますが、4K動画だと色を鮮やかに表現した撮影ができるのでしょうか。答えはNOです。
解像度でも少し触れましたが、4Kと言われている動画もフルHDと言われる動画も、何か特別な処理をして色を変えたり、発色を鮮やかにするための4色目の色素が……といった編集を行っているわけではありません。その辺りの処理はテレビやモニター側の性能に依存します。
フルHDや、4Kという言葉は動画の画面の大きさ(画面解像度)を表す言葉です。画面解像度は、動画の縦横のピクセル数を表すもので動画の画素数を表す言葉です。画面解像度が高ければ高いほどたくさんの画素(ピクセル)で画像が描かれることになるため、細かい描写が可能となります。
そしてその画素数は自由に設定できるのですが、一般的なフォーマットがあり、それに準じて4Kだ、フルHDだと区別、表記しています。
代表的なものとして、
720×480 DVDと同等の画面解像度
1280×720 ハイビジョン画質
1920×1080 フルHD画質 /Blu-ray相当
3840×2160 4K
があります。
4K動画の場合だと横に3,840個の点(ピクセル)が、縦に2,160行ならんでいて、合計約680万個の点(ピクセル)で1画面が描かれているということを意味し、そのデータ量はBlu-ray動画の4倍にもなります。
それだけの情報量で情報を保存できるのですが、注意すべき点は表示させるモニターにも相応のスペックが必要となる点と、動画を編集しようとしたときに必要となるPCのスペックも高いものが要求されるという点です。
この2点をクリアするのでしたら(今の世であればそれほど困難なことでもないと思いますが)、HERO5 blackで素晴らしい4Kの世界を手軽に楽しむことができるようになります。
GPSによる位置情報取得機能
撮影した映像にGPSで取得した位置情報が記録されます。スマホや一部のデジカメではずいぶん昔から搭載されてきた機能なので目新しさは感じませんがGo-Proシリーズでは初の機能となります。
後からどこで撮影した映像か確認できるようになるとか、仕訳が簡単になるとか、アプリを使えば撮った写真や動画を地図に並べて移動した経路を記念に残せるとか。
そういった便利な使い方ができる一方で、逆に位置バレや住所バレといった、所在地特定という弊害も起こりうるのもまた事実です。機能の入り切りは任意で可能となりますので、必要がなければ機能のoffで対応しましょう。
Go pro「HERO5 Session」 の特徴
低価格
両手が塞がっていても操作できるように音声入力に対応していたり、アクセサリー無しの本体のみで水深10mの撮影が可能であったり、4K動画が撮れたり10MPの写真が撮れたりといったカメラとしてかなりハイスペックな性能を詰め込みつつも、それ以外の要素を削ぎ落としていった成果がこの低価格です。
非常にコンパクト
こちらも価格と同じで、本体に搭載されているタッチ液晶で操作も映像確認も行うのではなく、ステータススクリーンでカメラの状態だけを表示するようにしています。
本体での操作は録画開始や撮影モードの変更などの簡単なものに留め、映像の確認やメイン操作はスマホで行うといったように、スマホでの操作を前提にすることで本体には録画ボタンと小さなメニューボタン以外必要なくなり、コンパクトな作りになっています。
まとめ
写真や動画のクオリティは「black」のほうが若干上(迷うなら「black」を!)
HERO5 Sessionが、映像を撮影するために必要な機能に絞り、スマホとの連携を前提とすることで、小型化・軽量化しているのに対して、HERO5 blackはそれ本体のみでの撮影はできて当たり前。あとこんなこともできるよ。こんな使い方もできるよ。というところまでフォローしてくれています。
ストイックに撮影さえできればよいということであればHERO5 Sessionで十分満足できますが、HERO5 blackを持っていれば、撮影+「あともう少し」を楽しむことができます。